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2024年度部門表彰者の声:優秀講演奨励賞


株式会社東芝

加納 宏弥


 この度は、IIP2024において発表しました「曲面上の微小欠陥の自動光学検査」に対し、情報・知能・精密機器部門の優秀研究講演賞をいただきありがとうございます。本発表が、技術進歩への寄与、内容の新規性及び社会的インパクトが特に顕著に認められた、との評価をいただき、大変うれしく思います。

 本発表の内容は、曲面形状の対象物の表面に存在する、高低差が10 µmオーダーの微小な凹凸欠陥を自動検知する光学技術を提案するものです。ストライプ状のカラーフィルターと、放射状に広がる拡散照明光とを組み合わせた光学系を構築しました(図1)。これによって、曲面上の微小な凹凸による光の方向の急峻な変化を、画像の色の急峻な変化として捉えることができるようになりました(図2)。さらに、撮像した画像における色変化の急峻な領域を周波数フィルタリングにより自動的に検出する画像処理アルゴリズムを構築しました。これらの技術を実際の曲面形状のサンプルに適用したところ、曲面上に存在する深さ40 µmのへこみを自動的に検出できることを実証しました。本技術は、熟練者の目視に頼っていた従来の外観検査の自動化など、通常の撮像では実現できなかった検査技術として展開できると考えています。

最後に、日本機械学会 情報・知能・精密機器部門の益々のご発展を祈念し、御礼の挨拶とさせていただきます。



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