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若手優秀講演フェロー賞(名古屋大学 佐藤 鐘太氏)
名古屋大学
佐藤 鐘太
このたび、日本機械学会 IIP2024 情報・知能・精密機器部門(IIP部門)講演会において発表いたしました「球面と平面の接触によって形成されたナノすきまを用いた長鎖 DNA 一分子の伸長」に対し、日本機械学会若手優秀講演フェロー賞をいただき、大変光栄に存じます。私にとって初めての講演会で緊張していましたが、このような賞を賜り、心より嬉しく思います。本研究を進めるにあたり、日頃よりご指導・ご鞭撻を賜りました先生方、そして研究室の皆様に、深く感謝申し上げます。
受賞いたしました研 究は、一本の紐のような形状を持つ直線状の DNA 分子を伸長させ、その様子を蛍光顕微鏡で観察することで DNA 分子のサイズを計測したものです。DNA 分子は通常、糸毬状にくるまっているため、長さを計測するには伸長させる必要があります。DNA 分子の伸長には、ナノメートルレベルのサイズのすきまを使用しました。このすきまは、球面と平面を接触させ、その接触部近傍で形成されるという非常に簡便な手法で形成しました。そして、DNA 分子が正極方向に泳動する特性を利用し、すきま内に DNA 分子を導入することで、伸長させました。計測においては、DNA 分子に蛍光染色を施して可視化した後に観察し、伸長方向の蛍光強度の分布を基にその長さを測定しました。本手法が確立されれば、生体内や環境中に存在する細菌のDNA分析の高速化と簡便化が期待されます。
来年度も本賞を励みに、一層研究活動に取り組む所存です。最後になりましたが、日本機械学会のさらなる発展を祈念し、受賞の挨拶とさせていただきます。

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