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若手優秀講演フェロー賞(東海大学 後藤 宏弥氏)


東海大学 工学研究科 機械工学専攻

後藤 宏弥


 この度,日本機械学会2024年次大会において発表した「FEM解析および実験による高分子フィルム搬送時のトラフの評価」に対し,日本機械学会若手優秀講演フェロー賞をいただき,大変名誉に存じます.本研究を進めるにあたり,ご指導いただいた砂見先生をはじめとする研究室ならびに関係者の皆様に深く御礼申し上げます.

 私の研究内容としては,Roll-to-Roll方式搬送時に不具合として重要視されるトラフの有限要素法(FEM)解析と実験的に撮像したトラフを比較し,本方式におけるFEM解析の手法確立を目的とした研究です.本方式は太陽電池,リチウムイオン電池などの高機能製品を大量生産するために用いられる方式であり,産業を支えるには必要不可欠な生産方法です.しかしながら,製造現場において経験と勘による設計が多く行われているため効果的ではなく,本方式では基本的にフィルムや金属箔などの薄いものを扱うことから経験と勘の設計では限界がきています.搬送時の主な不具合としてトラフと呼ばれる波上のしわがあり,トラフは別の不具合へ助長する恐れがあるため予防する必要があります.不具合の予測手法として,FEMを用いたシミュレーションを用いる試みが行われていますが,実機との比較をして有効性を確認した研究例がほとんどないため,本方式におけるシミュレーション技術はまだ未発展であるのが現状です.そのため本研究では,FEM解析と実機との比較検証を行いました.まず実験では,本方式を簡易的に模した装置を用いて搬送時のトラフをデジタル画像相関法(DIC)で定量的な評価を試みました.この実験で使用した装置モデルを汎用FEM解析ソフトウェア上でモデル化し,シミュレーション上でトラフの再現を試みました.結果としては,DICを用いることでトラフの構造を得ることができること,FEM解析において実験と同条件でトラフ状の変位を再現できることを明らかにしました.しかし,変形量においてはまだ乖離しているため,今後は乖離が発生する原因解明に取り組み,生産現場に応用できる手法の確立を目指す予定です.

 来年度からは修士二年生になるため,少なくともあと一年は本研究を続けることができます.今後の研究活動には今回の受賞を励みに全身全霊で精進いたします.最後になりますが,日本機械学会の益々の発展を祈願し,受賞の挨拶とさせて頂きます.




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